ほうれん草に含まれる色素をカラムクロマトグラフィーによる単離精製により抽出し、カロテノイド系色素であるβカロテンの抗酸化作用について詳細に検討した。蛍光色素にβカロテンを添加すると、抗酸化作用により発光寿命が改善されることがわかった。またそれだけではなく、ある蛍光色素に対しては、発光強度が増大することが確認され、また同時に発光波長も変化することがわかった。これらの事実は、カロテノイド系色素が自身のもつ抗酸化作用によって有機デバイスの動作寿命を改善できるだけではなく、発光強度や発光波長を制御できる可能性を示すものである。
|