本研究は、超伝導量子回路における誘電損失の原因となる2準位系について調べました。水素終端したシリコン基板上に、TiNをバッファ層として超伝導NbNエピタキシャル成長膜を作製しました。このTiN/NbN2層構造からなる超伝導共振器の誘電損失は2.25 x 10-6で、TiN薄膜単体からほぼ同じレベルであり、MgO単結晶基板上に作製したNbN薄膜の1 x 10-4に比べて劇的な改善が見られました。TiN/NbN2層構造の表面平坦性は0.5nm以下であり、TiN単層膜の0.5nm以上という表面平坦性に比べて改善しており、超伝導量子ビット回路におけるジョセフソン接合の作製により適していると考えられる。
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