算術符号は高効率符号として知られているが符号化及び復号に多大な時間を要する.このため従来は近似計算による算術符号の高速化を図ってきた.しかし,近年のハードウェアの技術進歩により,乗算型算術符号での最大符号化効率を維持した高速化の実現も検討できる. 本研究では,無記憶情報源に対して情報源の拡大処理を導入し, 通報の確率と下位アドレスを計算するために必要となる確率値を保持するテーブルサイズを変化させ,それに伴う演算回数の削減度を調べて高速化の可能性を検討した.実験の結果,提案方式は符号化時間及び復号時間を,それぞれ,従来の約13/100程度まで削減できることが分かった.
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