| 研究課題/領域番号 |
25420363
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| 研究機関 | 富山大学 |
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研究代表者 |
小川 晃一 富山大学, 大学院理工学研究部(工学), 教授 (60601854)
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| 研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| キーワード | BANアンテナ / OTA評価装置 / フェージングエミュレータ / 歩行動作 |
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| 研究実績の概要 |
本研究の目的は，医療ICT技術に適用する人体に近接した無線センサーデバイスの無線性能評価を，人体の動的変化と室内多重波伝搬環境の影響を同時に考慮して行うことができる評価装置を開発することである．評価装置を開発する際の課題は，（１）振幅・位相制御回路を具備した装置の開発，（２）室内多重波伝搬環境を作り出すための生成アルゴリズムを開発，（３）実用状態で起こる多重波伝搬の影響を考慮したBANアンテナの開発，これらの課題のうち平成26年度はすべてについて研究を遂行した．
（１）に関しては，室内多重波伝搬環境の解析を実施した結果，電波が水平方向のみならず垂直方向を含め3次元的に到来するモデルを用いて評価する必要があることが判明した．現在，16系列の評価装置を拡張し，42系列の振幅・位相制御回路を具備した装置を開発中である．
（２）に関しては，研究成果をまとめて論文投稿し，平成27年4月発刊の電子情報通信学会の英文論文誌に掲載された．
（３）に関しては，腰・頭・腕・足など人体の様々な部位に装着されたアンテナに関して，アンテナの設置位置・指向性・偏波が異なった場合に，シャドウイングと多重波が伝搬損失等に与える影響の違いを実験的に明らかにする必要がある．平成26年度は頭と腕にBANアンテナを装着してOn-body通信を行う際，歩行動作中に生じる影響について検討した．腕に装着したアンテナは腕振り動作によって偏波が大きく変化して受信レベルが変動することが判明した．そこで，腕振り動作中に安定して受信レベルが得られる偏波制御アンテナを提案した．実験結果と解析結果が一致し，提案アンテナの有効性が実証された．
これらの研究内容については学会で口頭発表を行った．今後は論文にまとめて報告する予定である．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に沿って研究を進めており，26年度は概ね研究成果を得ることができた．
（１）電波が水平方向のみならず垂直方向を含め3次元的に到来するモデルを用いて評価する必要があることが判明したので，16系列の評価装置を拡張し，42系列の振幅・位相制御回路を具備した評価置を開発中である．
（２）腕振り動作中に安定して受信レベルが得られる偏波制御アンテナを提案した．実験結果と解析結果が一致し，提案アンテナの有効性が実証された．
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| 今後の研究の推進方策 |
最終年度の平成27年度は，（１）42系列の振幅と位相を制御する生成アルゴリズムをエミュレーターへの実装，（２）歩き方のモデリングを行い，エミュレーターに用いるファントムへ移植し，人の動きと多重波を取り込んだ評価，（３）BANモジュールに実装された実用小型アンテナの測定と性能評価を行う予定である．以上のように平成27年度も継続して研究開発を行い，当初予定の研究成果を得るために研究を推進する．
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