研究課題/領域番号 |
25420366
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
森 香津夫 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (90324540)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 無線センサネットワーク / IEEE802.15.4 / ビーコン衝突 / ON期間選択 / 自律分散 / 簡易制御 |
研究概要 |
本研究では,無線センサネットワーク(WSN: Wireless Sensor Network)の省電力化技術であるDuty Cycle動作(通信機能のON/OFF を繰り返す間欠動作)技術に関し,各種ネットワーク変動(トポロジー変動やトラヒック変動)への適応を簡便な制御方法で可能とするクラスタ型WSN向けの制御技術を確立することを目的とする. 平成25年度は,その第1段階として,トポロジー変動に対応可能な簡易型自律分散Duty Cycle動作制御法の開発を進めた.クラスタ移動に起因するトポロジー変化により発生するクラスタ間におけるビーコン衝突の問題に着眼し,ビーコン衝突を可能な限り回避可能な各クラスタへのON期間割当制御法の研究を進めた.ここでは,通信機能以外の付加的機能(例えば,GPSによる位置情報取得機能など)を必要としない簡便な自律分散制御法の確立を目指し,各クラスタにおけるON期間の使用状況を他クラスタが発するビーコンの受信状況モニタリングにより判断して,各クラスタが使用可能な(ビーコン衝突の発生確率が小さい)ON期間を適切に選択する手法を研究した. その後,これらの検討により得られたON期間選択法の特性評価を,計算機シミュレーションにより実施した.その結果,提案手法ではランダムにON期間を選択する方法と比較して,伝送特性および消費電力特性が向上することが明らかとなった.本研究成果は,国際学会VTC2013-spring(開催地:Dresden)とICST2013(開催地:Wellington)にて公表されている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度の当初計画で目標とした内容が当該年度の研究によりほぼ達成できたと認識している. 研究内容における研究実施での進捗は,ほぼ当初の予定通りに推移した.また,研究成果の公表についても,2件の国際学会での成果公表が実現でき,当初計画以上の達成度が得られたと考えている.さらに,経費についても,経費細目で多少の出入りがあるものの,ほぼ当初予定に基づき実施できたと考えている. 以上より,研究はおおむね順調に進展していると結論づけられる.
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は,前年度研究における成果物である簡易型自律分散Duty Cycle 動作制御法を発展させて,トラヒック適応制御との統合化制御技術の研究開発に取り組む. 研究方法は,当年度においても25年度と同様に,机上理論検討による制御方式の考案と計算機シミュレーションによる特性評価が主となる.シミュレーション規模の増大が予想されるため,当該年度においてはシミュレーション環境を増強する予定である.また,研究成果発表および研究調査のための国内学会(電子情報通信学会大会/研究会)や国際学会(ICT2014など)への参加や,論文誌への研究成果の投稿を予定している. 当該年度における研究手順および研究に使用する主な設備は,平成25年度と同じである.
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