伝送技術に関する信号注入回路については、ハードウェアを作成するとともに、独自開発ソフトウェアを搭載することにより設計どおりの動作を確認した。効率的注入を実現することのできる生体インピーダンスの範囲を確定するため、実際の生体インピーダンスの基礎データを取得を目的として学生等の被験者を対象にネットワークアナライザによるインピーダンス測定を実施した。その結果に基づいて注入回路の設定パラメータを決定し、一般的な生体インピーダンスの範囲において所定の動作を行うことを実験的に確認した。これら一連の検討結果を取りまとめて、関連分野の国際会議(The 10th International Conference on Medical Engineering: CME2016)で口頭発表するとともに学術論文誌(International Journal on Neuroscience and Biomedical Engineering)に投稿し掲載を得た。 生体内伝搬についても並行して検討を進めた。本検討では、主として理論的アプローチを採った。理論的検討結果と実際の生体環境での伝搬を比較検討するため、ネット上で公開している機関に対して生体データの提供を求めたものの使用許諾が得られず、検討結果の妥当性については検証に至っていない。本件については、別のアプローチの可能性について引き続き検討する。検討結果については、とりまとめを行い、できるだけ早い時点で論文投稿する予定である。
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