研究課題
最終年度では、複数のフィルタの畳み込みを利用した高速なシングルフレーム画像補間法を考案した。シングルフレーム補間問題は既知画素よりも未知画素の数が多い不良設定問題であるため、手法ごとの仮定により補間品質が大きく変化し、特にエッジぎわやテクスチャ領域でジャギーや画像ボケが発生しやすいことが問題となる。これらの問題を解決するために、最小二乗法などの最適化問題を解くことによる高品質な補間を目指した手法は多く存在するが、計算コストが高くなってしまい、リアルタイムアプリケーションに不向きであるという課題がある。そこで本研究では近年マルチフレーム補間として提案された複数面フィッティング法をシングルフレーム補間に適用することで、ジャギー及び画像ボケの軽減を目指した。従来法では最小二乗法による関数導出及びその関数に未知画素の座標を代入することで推定値を得ていたが、その処理をフィルタの畳み込みのみで実現した。これによって局所的な関数を利用して画像ボケを軽減するという複数面フィッティングの強みを利用しながらも、高速な処理を可能とした。更にフィルタの水平、垂直方向にそれぞれ重みをかけることで、エッジ方向に沿った関数を利用できるように改良し、ジャギーを軽減した。以上の手法によって、提案法は高速でありながらも、ジャギーや画像ボケのない補間を可能にした。また提案法の性能を示すため、補間画像を定量・定性的の両面から評価し、従来法との処理時間の比較も行った。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
IEICE Trans on Fundamental
巻: Vol.E99-A ページ: 612-620