研究課題/領域番号 |
25420392
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
岩井 誠人 同志社大学, 理工学部, 教授 (70411064)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 車車間通信 / 伝搬損失 / レイトレーシング / 道路幅方向依存性 / 周囲建物配置 |
研究概要 |
ITS環境における伝搬損失を網羅的に求めるための準備として、25年度は、道路の幅方向位置および道路周囲の建物配置が車車間通信環境における伝搬損失特性に与える影響を評価した。 これまでの車車間通信用伝搬モデルは、ほぼ全て、車両の位置を道路の長さ方向のみの座標により特定し、幅方向位置は考慮していない。本研究で最終的に構築する伝搬モデルでも、同様の取扱いを想定している。これに対して、道路の長さ方向に垂直な方向の位置、つまり、幅方向位置が伝搬損失に与える影響も無視できないものと考えられる。25年度に行った伝搬損失モデルを構築する準備段階の一つとして、この依存性をレイトレーシングにより明らかにした。その結果、見通し内および見通し外環境において、幅方向位置依存性を無視し長さ方向のみで車両位置を特定することができる道路幅および送受信点間距離の条件を求めた。今後は、この条件が成り立つ範囲を対象として、伝搬損失特性を解析する予定である。 また、伝搬損失を実験などによって求めた場合に、道路周囲の建物配置が伝搬損失に影響を与えることが考えられる。特に、交差点を構成する四つの角の建物の有無は、見通し外伝搬損失に大きな影響を与えることが予想される。実測の前に、このような特性を机上検討しておくことは重要であり、25年度はこの特性をレイトレーシングで明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
シミュレーションなどの机上検討による評価は予定通りに進んでいるが、実験機器の準備が予定よりも遅れ気味である。準備的な机上検討の結果より、当初想定していた装置構成では十分なダイナミックレンジが得られないことが予想され、装置構成を見直している。
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今後の研究の推進方策 |
実験用周波数については、700MHz帯の利用を当初検討したが、現在の状況ではこれは実現困難であり、無線LANなどを用いた2.4GHz帯での実験実施を想定して装置構成を検討している。これを補強することを目的として、レイトレーシングなど、机上検討・シミュレーションによる評価を今後強化する。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初想定した実験装置構成では適切な結果を得られる見込みが小さかったため、装置構成・無線周波数などを見直している。このため、実験装置構築に遅れが出ている。 無線LANなどを用いた2.4GHz帯での実験実施を想定して装置構成を検討している。26年度に実験装置構築を行い、実験を開始する。また、レイトレーシングなど、机上検討・シミュレーションによる評価を今後強化する。このために、シミュレーションのオペレーションなどの実験補助要員を必要とする。
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