研究課題/領域番号 |
25420394
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
袁 巧微 仙台高等専門学校, 専攻科, 教授 (80509729)
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研究分担者 |
陳 強 東北大学, 工学研究科, 教授 (30261580)
澤谷 邦男 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 教授 (60108470)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | モーメント法 / 電磁界解析 / CG法 / Gauss消去法 / GPU / CPU / 高速化 |
研究概要 |
本研究では、低コストで、数値解析の性能が年々向上されているGPGPU(General Purpose Graphics Processing Unit)に着目し、モーメント法という電磁界数値解析手法の高速化を図ることを研究の目的とする。そのGPU に適するRichmond の方法に基づいた高精度で且つ高速なモーメント法解析アルゴリズムを開発するために、 平成25年度では、GPU に適する大規模行列方程式を高速的に解くアルゴリズムの開発及びその有効性を明らかにすることでした。 具体的に下記の研究を実施した。 ①CG法(袁、澤谷)、Gauss消去法(袁、澤谷)がCPUでの実行とGPでの実行プログラムを作成した。GPUはNVIDIA社からのCUDAプログラミング環境で行われていた。②CG法とGauss消去法ごとにCPU 計算時間とGPU実行時間を比較した。 上記に研究の実施することによって、下記の研究結果が得られた。 ①CG法とGauss消去法に関して、未知数が1000を超えると、GPU実行時間がCPU計算時間より少ない。CG法は大よそ17倍~40倍の高速化され, Gauss消去法は約30倍~53倍高速化されたことが分かった。②Tesla C2050とGTX580の2種類GPUを用いて、GTX580の方が計算早いという結果が得られた。③メモリのアクセスについてはコアレスメモリアクセス有効であることが分かった。④3枚GPUを用いて、3倍近い高速化が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定している検討項目がLU法以外にすべて行った。また、GPUによる大規模連立方程式の計算の高速化が図れ、GPUの種類や、メモリの配置、GPUの枚数などの計算速度への影響も調査した。最終的に、GPUに適する行列方程式の解きアルゴリズムを確立したと共に、GPUのチューニング技術を身に付け、GPUより高速化の効果を定量的に明らかにした。 結果としては下記の論文一篇を発表した。 [1]袁 巧微(仙台高専),勝田 肇(東北大),横川 佳(東北大),今野 佳祐(東北大),陳 強(東北大),澤谷 邦男(東北大),”GPUによるモーメント法の高速化,” 第18回計算工学講演会, 東京, 2013年6月.
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今後の研究の推進方策 |
LU法が大規模連立方程式の解法に適応し、GPUによる高速化を確認するとともに、予定している平成26年度はの計画を推進する。なお,平成26年度ではシングルまたは複数GPU にFMMを実装し,高速化の効果を定量的に明らかにすることである。
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次年度の研究費の使用計画 |
高性能GPU(Kepler20以上)2014年に発売されるため、H26年度で購入することにした。また、国際会議での発表は4月で行うため、その旅費がH26年度に繰りされる。 高性能GPU(Kepler20以上)付ワークステーション1台購入、100万円程度の予算を使う。 H26年4月にオランダーで開催されるEuCAP2014で発表を行う、約50万円程度の予算を使う。
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