研究実績の概要 |
本研究は,4年間を渡って実施内容及び結果は下記の通りである.平成25年度は,GPUに適する大規模行列方程式を高速的に解くアルゴリズムの開発及びその有効性を明らかにした. またGPUがモーメント法に適用するときGPUメモの特性,優先順位を調査し,計算の高速化に有利な基本的なルールを明らかにした.平成26度では,シングルまたは複数GPUにモーメント法を高速化できるCG-FMM(Conjugate Gradient-Fast Multipole Method)を実装し,更なる高速化の効果を定量的に明らかにした.平成27度は,OpenACCを用いてGPUに誘電体を含んだ計算できる行列の生成のプログラムを実装し,約2-3倍ほど高速化が確認された.最後の平成28度では誘電体含むアルゴリズムの計算結果を市販ソフトより結果を比較し,本研究で開発されたソフトの有効性を確認し,高速化の効果を確認された. 本研究では,GPUでモーメント法の高速化アルゴリズムへの実装が成功し,従来高価のスーパコンピュータで実行しなければならない誘電体を含む大規模な電磁界数値解析の高速化が安価で行うことができた.従って,大規模なモデルの電磁解析が安価で可能且つ高速化することにより,新型人工電磁材料の開発や,宇宙電力発電システムの開発,人・車・船・飛行機を含んだ散乱・放射問題に関する通信・レーダー分野の発展に大きく寄与ができ,極めて重要である.
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