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2013 年度 実施状況報告書

生体画像輪郭解析法によるセキュアで利便性の高いユビキタス社会向け生体認証

研究課題

研究課題/領域番号 25420395
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京工業高等専門学校

研究代表者

大塚 友彦  東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (80262278)

研究分担者 青木 宏之  東京工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (20249759)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード虹彩検出 / Haar-like特徴量 / 直線探索 / 虹彩検出率 / 極座標画像 / 虹彩認証 / バイオメトリックス
研究概要

本研究では虹彩認証の前処理と位置づけられる虹彩検出の性能向上を目的としている.従来法では虹彩輪郭を円形(または楕円形)と仮定して円近似を用いて虹彩検出を行っているため,虹彩輪郭周辺にまつ毛やまぶた等の障害物が多い場合や,虹彩輪郭が円形(または楕円形)から外れる場合,虹彩検出が困難になるという課題があった.本研究では,まず,本手法では瞳孔中心を求め,瞳孔の中心と同心の環状の探索領域を定義し,抽出した探索領域を瞳孔中心からの距離と基準水平線からの中心角を用いた極座標画像に変換する.さらに,極座標画像の動径方向に探索直線を定義し,定義した探索直線沿ってHaar-like特徴量を計算する.探索直線上でHaar-like特徴量が最大の極大値となる点(境界点)を抽出する.次に探索直線を中心角方向に微小角度分だけ変化させ,同様に直線探索を行う.直線探索により虹彩輪郭が円形(または楕円形)から外れる場合でも虹彩検出が可能になる.最後に得られた境界点列から誤検出境界点を修正し,虹彩領域を検出する.本手法の有効性を確認するため,CASIA虹彩データベース(Ver.3 Lamp)の虹彩画像2000枚に対して虹彩検出実験を行った結果,提案手法では虹彩検出率が99%となり,処理時間は,約29msとなることを確認した.従来法と比較したところ,検出率,処理時間ともに改善できていることが確認された.なお,処理時間はCPU Intel Core i3-3240 @3.40GHz メモリ 4.0GB Window8 PC を用いて測定を行った.今後の課題として,瞳孔中心検出アルゴリズムの改善が挙げられる.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

生体情報のうち,虹彩画像を例に,当初の目標の「劣化生体情報の画質改善手法」や「特徴抽出手法」を提案できるまでに至った.また,提案手法について,生体認証分野の性能評価のために標準的に用いられているCASIA虹彩画像データベース ver. 3を用いて,虹彩検出実験を行ったところ,従来法よりも優れた検出結果であることが確認できている.

今後の研究の推進方策

提案手法による虹彩検出の失敗事例を分析したところ,画像全体が暗い場合や,瞳孔が画像枠周辺に位置する場合に,瞳孔中心の検出に失敗してしまう傾向が確認された.瞳孔中心の検出に失敗した場合,虹彩の探索領域から実際の虹彩が外れてしまうため,虹彩の検出が困難になることが確認された.今後の課題となっている瞳孔中心検出アルゴリズムの改善を検討する予定である.
さらに,指紋認証や歩容認証へと提案する生体情報の画質改善手法やその特徴抽出手法を拡張・応用する予定である.

次年度の研究費の使用計画

平成25年度は,生体情報のうち,虹彩画像の画質改善や特徴抽出・位置検出手法の検討が当初の計画よりも進展が大きかった.このため,今年度は虹彩画像に特化して研究を推進することとし,これに伴い,指紋画像や歩容画像への応用のために計上していたハードウエア・ソフトウエアの費用の64,950円を繰り越すこととなった.
平成26年度上半期において,指紋認証や歩容認証のためのハードウエア・ソフトウエア設備購入のために使用する計画である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Reliable Iris Detection by Boundary Search using Haar-like Features2013

    • 著者名/発表者名
      K. Ohnuki, T. Ohtsuka, H. Aoki
    • 雑誌名

      Proceedings of 2013 IEEE International Conference on Biometrics and Kansei Engineering

      巻: 1 ページ: 95-98

    • 査読あり
  • [学会発表] Reliable Iris Detection by Boundary Search using Haar-like Features2013

    • 著者名/発表者名
      K. Ohnuki, T. Ohtsuka, H. Aoki
    • 学会等名
      2013 IEEE International Conference on Biometrics and Kansei Engineering
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20130705-20130707

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公開日: 2015-05-28  

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