研究課題
本研究は,ディジタル情報伝送における情報再生特性の向上を目的としている.これまで,情報伝送では送信情報のビット系列をフレーム等と呼ばれる短いビット系列に分割して送信することが多く,その場合,受信機における情報再生では,フレームの先頭に挿入されているユニークワード等と呼ばれる固定パターンのビット系列を,受信ビット系列から正確に検出する同期処理が情報再生で必須となることに着目し,ビット系列を保護する組織誤り訂正符号化が生成するパリティ成分の検査ビット系列を同期処理に適用し,情報再生品質を向上させる方式を提案し,計算機シミュレーションによる評価系を構築し,有効性を評価してきた.また,無線通信を前提とした複数アンテナ送受信による符号化伝送系を提案し有効性を評価してきた.さらに,無線通信システムでは,盗聴端末が存在し得ることを考慮し,本研究目的である情報再生を強化する技術の開発を,盗聴端末においては情報再生を抑圧させる技術の開発に拡張し,これまでに提案した無線通信を前提とした符号化伝送系の基礎検討と方式提案を基に,目標端末の情報再生性能を向上し,盗聴端末の情報再生性能を劣化させる方式を提案し,計算機シミュレーションにより有効性を確認してきた.平成27年度は,これまで提案してきた情報再生性能を強化する技術と,複数アンテナ送受信により盗聴端末においては情報再生性能を劣化させる技術を,各種の情報再生特性により詳細に評価するとともに,組織リードソロモン符号化を用いた耐性強化に基づく改良を加えて研究を進め,成果をまとめた.
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
IEICE Transactions on Information and Systems
巻: Vol. E99-D, No.4 ページ: 830 - 838
10.1587/transinf.2015ICP0010