研究課題/領域番号 |
25420397
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研究機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基 |
研究代表者 |
松嶋 智子 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, その他部局等, 教授 (30648902)
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研究分担者 |
山嵜 彰一郎 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構職業能力開発総合大学校(能力開発院、基, その他部局等, 教授 (60648963)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 光通信 / CDMA / MPSC / シグネチャ符号 / 干渉除去 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,平成25年度までに提案した光通信システムのための符号分割多元接続(CDMA)方式およびシグネチャ符号に拡張プライム系列符号(MPSC)を用いた多重ユーザ干渉(MUI)除去方式について,より詳細な性能評価と実験モデルの設計を行った.研究協力者の協力を得て,研究代表者 松嶋が実験モデルの設計を行うとともに,研究分担者 山嵜が基本特性の詳細な評価を行った. まず,理論解析および計算機シミュレーションにより,提案方式の誤り率特性を詳細に評価するとともに,平均光信号強度と信号強度の変動(標準偏差)を定量的に求めた.従来の代表的な光CDMA方式と比較して,提案方式の有効性を確認した. また,予定されていた研究内容の他に,新たに上記の光CDMA方式やMUI除去方式を用いて,マルチチップLEDを用いた可視光CDMA方式の提案を行った.この方式によれば,従来の白色LEDを用いた方式に比べて,少ないハードウェアでより多くの伝送チャネルを多重化できることが示された.今年度は,その方式の提案と基礎的な評価を行った. さらに,提案方式に基づく照明光CDMAシステムの実験装置の設計を行い,実際に複数の白色LED光源を用いて照明光CDMA通信システムの実験装置を開発するための準備を行った.多元接続の状況が確認できるように,複数チャネルのデータ伝送が容易に確認できるシステムを構築した.また,符号化や復号などのデジタル処理部をFPGAで実現し,回路設計を行った.復号器においては,受光器の出力をADCで多値デジタル信号に変換し,多値情報をCDMAの相関復号に利用できるようなシステムを設計した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定されていた提案方式の性能評価については,計算機シミュレーションによる評価を終えた.さらに,可視光CDMAシステムの実験モデルの設計を完了し,最大5チャンネルの多重化伝送実験を行う装置の回路設計を行った。予定されていた成果の他に,マルチチップLEDを用いた可視光CDMA方式の提案を行った.以上のことから,当初の今年度の研究目的はおおむね順調に進展していると判断される.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,提案し設計した多重化方式の実験装置を開発し,実用化への課題を明らかにする.研究体制としては,研究協力者 田中,寺町,角山および連携研究者 大村の協力を得て,研究代表者 松嶋と研究分担者 山嵜が実験装置の開発と実用化に向けた検討を行う. まず,提案方式に基づく照明光CDMAシステムの実験装置の開発を行い,多重伝送実験を行う.送信チャネル数としては,5チャンネル程度を想定し,それぞれが異なる情報源を持ち,異なるデータストリームを送信できるようにする.復号時には,スイッチにより,一つのチャネルを選択して,希望チャネルのデータストリームを復号できるようにする.符号化および復号等のデジタル処理部はFPGAで実装する予定である.また,送信データストリームと復号データストリーム間の誤り率を測定する回路を作成する. 次に,開発した実験装置を用いて,さまざまな条件(多重者数,背景光など)で多重化伝送実験を行い,ビット誤り率などの特性を評価する.さらに,照明光CDMAシステムの実用化に向けた課題を明らかにするとともに,その解決法を検討する. さらに,提案システムの特性評価および実験による検証において得られた結果を取りまとめ,成果の発表を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた国際会議参加の学会参加費および旅費が共著者の予算で支払われたため.
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次年度使用額の使用計画 |
提案方式の評価結果のデータ整理のためのPCの購入,実験装置構築デバイスの購入,データ整理のためのアルバイト代,研究成果の発表のための学会参加費および旅費として使用する予定である.
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