研究課題
本研究では,照明光通信システムに適した符号分割多元接続(CDMA)方式,およびシグネチャ符号に拡張プライム系列符号(MPSC)を用いた多重ユーザ干渉(MUI)除去方式を提案し,理論解析による特性の評価を行うとともに,実験システムを構築し,実用化への基礎的な検討を行った.平成27年度は,これまでに提案および理論解析した光CDMA方式,MUI除去方式について,伝送実験を行うための実験装置を開発し,実用化への課題を検討した.まず,提案方式に基づく照明光CDMAシステムの実験装置の開発を行い,多重伝送実験を行った.送信チャネル数は5チャネルで,それぞれが異なる情報源を持ち,異なるデータストリームを送信できるようにした.復号時は,スイッチにより一つのチャネルを選択して,希望チャネルのデータストリームを復号できるようにした.シグネチャ符号には符号長の16の一般化MPSCを用いて,符号化および復号等のデータ処理部はFPGAで実装した.開発した実験装置を用いてさまざまな条件で多重化実験を行った結果,背景光の有無等にかかわらず,良好な伝送を行えることを確認した.また,MPSCの反転系列と非反転系列を選択的に用いることにより,誤り率特性を変えることなく,照明光の明るさを制御できることを実証した.また,本研究によって得られた成果を国際会議,国内学会,論文誌等において発表した.
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
IEICE Trans. on Information and Systems
巻: Vol.E99-D, No.4 ページ: 830 -- 838
10.1587/transinf.2015CP0010