従来の共振法を使った方法では、特定の材料定数で温度係数に大きなずれが生じるという問題を克服するため、本研究では、超音波マイクロスペクトロスコピー(UMS)技術に従来技術を組み合わせた定数・温度係数決定法を提案した。ランガサイト系結晶CTGSに対し、UMS技術により室温近傍で音速測定と、パルスエコー法および共振法より-30~80℃の範囲の音速測定を行った。計測原理上、高精度なUMSの結果を基準に補正した音速値をもとに、弾性定数および圧電定数の温度依存性を求めた。得られた各定数の室温近傍の勾配は、UMSで決定した定数のそれと比較して非常に良く一致し、本手法の有用性を実証した。
|