研究課題/領域番号 |
25420401
|
研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
市毛 弘一 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10313470)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | アレーアンテナ / 到来方向推定 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,主としてネストアレー構造に着目して,最適構造と到来波数推定,到来方向推定手法について検討した.到来波数推定においては,アレー受信信号の相関行列において欠損があるため,行列のToeplitz性に基づいて欠損要素を補間し,さらに比率法によって高精度な到来波数推定を行うことが可能であることを実証した.到来方向推定においては,従来と同程度の推定精度は確認できたものの,それを超える精度は確認できなかったため,今後さらに検討したい. また,MUSIC法,2q-MUSIC法などの利点・問題点を解析し,それらのスペクトルを合成することで,あらゆる場面に適用可能でロバストな到来方向推定手法を確立した.MUSIC法における不得意角を打ち消す手法として効果が期待できる. さらに,代数的解放に基づいた低計算コスト到来方向推定手法についても検討を行い,従来はリニアアレーにのみ適用可能だった手法を,矩形アレーにも適用可能になるよう拡張した.従来法との比較においても,特に複数のコヒーレント波の到来方向推定において高い推定精度を実現することを検証した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ネストアレーの構造に着目することで新しい展開があり,最適構造の検討,到来波数・方向推定への応用など,様々な検討を行った.今後もより良い構造を模索しつつ,検討を行っていきたい. 関連して,スイッチングを用いた低コストアレー受信器,および角度スペクトルの合成による高精度推定手法,アレー受信信号相関行列の分析による低計算コスト到来方向推定手法など,マルチアンテナシステムに関連する様々な研究を進めることができた.こうした諸問題についても引き続き検討していきたい.
|
今後の研究の推進方策 |
当初の計画の通り,より良いマルチアンテナ構造を模索しつつ,理論解析およびシミュレーション・実験による検討を進めたい.マルチパス波への対応が可能な推定手法についても引き続き検討したい.
|