平成27年度は,前年度に検討したネストアレー構造からの発展として,アレーの補間および拡張処理とその応用について様々な検討を行った. まず,ネストアレー以外のアレー構造について検討を行った.その結果,ネストアレーよりも広い開口長を持つアレー構造からでも,補間によって等間隔リニアアレー構造の仮想アレーを構築可能であることを実証した.併せて,得られた仮想アレーによる到来方向推定精度が良好であることを確認した. また,単一スナップショット数における到来方向推定手法であるSSIA(Single Snapshot Improved Aperture)を改良し,複数スナップショット数でも対応可能として,さらにMODE法を援用することで推定精度の改善効果があることを検証した. さらに,代数的解法に基づいた到来方向推定手法についても更なる検討を行い,矩形および様々なアレー構造においても適用可能となることを実証した.コヒーレント波の到来方向推定において高い推定精度を実現するこの手法は,マルチパス環境などでの利用が期待される.
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