研究課題
月周回衛星「かぐや」で観測される自然電波の特徴として、観測波が波源からの直接波と月面反射波の合成になる点が挙げられる。この観測波のデータを詳細解析することにより、低周波に対する月面の電気的パラメータを推定することが可能となる。本研究では、オーロラキロメートル放射と呼ばれる地球起源の電波を用いて月面誘電率を推定する手法の確立し、レーダ観測による高周波の誘電率と比較することにより、月面誘電率の周波数特性に関する調査を行ってきた。自然電波からの誘電率推定においては、疑似観測データを用いてノイズに対する耐性および観測位置の不確定性に対する挙動について検証した後、実観測データへ適用して高地および海の領域における誘電率の解析を行った。高周波のレーダ観測についても、全球モデルの検証を進めると共に、特徴ある領域について詳細解析を行った。これらの成果は、2015 URSI-Japan Radio Science Meeting, AGU Fall meeting 2015, 47th Lunar and Planetary Science Conference などで発表している。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件)
Auroral Dynamics and Space Weather, American Geophysical Union Monograph (eds Y. Zhang and L. J. Paxton), John Wiley & Sons, Inc, Hoboken, NJ.
巻: なし ページ: 255-273
doi:10.1002/9781118978719.ch17
Radio Science
巻: 50(7) ページ: 598-613
doi:10.1002/2014RS005635