研究課題/領域番号 |
25420410
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
木本 晃 佐賀大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80295021)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 超音波 / 電気インピーダンス / 画像融合 / 乳がん |
研究実績の概要 |
申請者らは、乳がん早期発見を目的とした電気・超音波一体型可視化システムの確立を目指している。本診断システムの特徴は、電気インピーダンスと超音波による2種類の組織画像が同時に得られること、2種類の画像の融合により診断能力の向上が図られること及び比較的簡便な診断システムであることの3 点である。 本年度は、乳がんモデルによる実験により昨年度製作した電気・超音波一体型可視化システム(1号機)の性能評価を行った。1号機は、市販の超音波診断装置のプローブの表面に薄膜電極を塗布することで超音波画像とともに電気インピーダンス画像を取得するシステムである。 実験としては、乳がんモデルを製作し、提案システムによる再構成を行った。乳がんモデルは脂肪モデル(厚さ6 ㎜)と乳腺モデル(厚さ50 mm)の2層からなり,乳腺層内に腫瘍モデル(直径6 mm)を挿入したものである。それぞれのモデルはこれまでに報告されているそれぞれの組織の導電率をもとにNaCl濃度を調整した寒天で製作した。実験結果から、電気インピーダンスの再構成画像のみでは腫瘍モデルの検出は困難であったが、超音波画像をもとにした電気インピーダンス再構成画像により腫瘍モデルの検出の可能性を得た。しかしながら、再構成画像は、寒天で製作したモデルの状態の不安定性により空間分解能が不十分であった。この点に関しては、製作に用いた寒天の種類を変更するとともに、腫瘍モデルを導電性ゴムにすることでモデルの安定性の改善を図った。 今後は、モデル実験を繰り返し、システムの性能を評価するとともに、得られた成果を国内及び国際学会で発表する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の計画の乳がんモデル実験により、腫瘍検出の可能性を得ることができたことから計画に対しておおむね順調に進展していると思う。
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今後の研究の推進方策 |
本年度の前半は、前年度の課題を継続実施する。具体的には、乳がんモデルにより実験を繰り返し、システムの性能を評価する。 本年度の後半は実際の臨床試験に向けたシステムの改善を図り、システムを評価する。研究成果を国内及び国際学会で発表する。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度国際会議での発表に至らなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度の国際会議での発表旅費に使用する予定である。
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