本研究は、パルス電界処理による酵母細胞の電気定数(誘電率および導電率)変化を誘電泳動速度から導出するとともに、マクロなモニタ電気信号(細胞群の泳動集積によるインピーダンス変化)と膜活性・生育活性の相関を定量的に検証して、迅速かつ簡便な動態診断システムを構築するものである。 主要な成果として、核酸染色変化から膜損傷度を導出し、加熱とパルス電界印加による閾値の違いを特定した。酵母細胞の泳動速度や電極間のインピーダンスを計測し、等価電気回路モデルを用いた電気定数変化を示した。また、損傷酵母の遺伝子発現を検出し、生物学的変異の判断指標を決定した。さらにパルス条件の違いによる検出応答を精査した。
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