本研究では,哺乳行動に関する臨床を支援するために,吸啜時における舌が乳首に与える力のリアルタイム計測システムの開発し,新生児を対象とした計測および異常吸啜検出アルゴリズムの構築を行った.具体的には,片持ち梁形式の小型力センサを多点に内蔵し,乳首表面にかかる力を立体的に計測できる人工乳首を開発して,乳首下部から上顎に向けて主たる力が加わっていること,吸啜は1秒間に2回程度行われていることを明らかにした.また,舌運動の解析を試みた結果,経口哺乳が確立した乳児では舌の蠕動様運動が見られる一方,確立していない乳児では確認できなかった.さらに,これらの要素を自動抽出できるシステムを構築した.
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