研究実績の概要 |
1.高性能SFCW地中レーダ用ボウタイアンテナの広帯域化の実現 汎用で商用のRAMAC250、RAMAC500、RAMAC800の3台のパルス地中レーダを1台の広帯域SFCWレーダで実現するのに必要とされるアンテナの周波数帯域を算出したところ、広帯域SFCW GPR用のアンテナとして3dBダウン上下限周波数、上限と下限周波数の比はそれぞれ、1.200GHz 、0.125GHz 、9.6が期待されたが、広帯域アンテナとされているビバルディアンテナ、ボウタイアンテナのいずれともが上限と下限周波数の比は4.5~5.5程度であり、上限と下限周波数の比として不十分であることが判明した。今年度においては、ボウタイアンテナの形状の改良及び最適化を電磁界シミュレータにより行い、3dBダウン周波数の上限と下限周波数の比の拡大を試みた。最終的には先端の尖った形状を、角の無い丸みを持った形状に変えることで周波数の上限と下限周波数の比を5.5から6.2へと約15%向上させることが出来た。以下に従来と改良されたボウタイアンテナの性能を比較して示す。 ◎従来型ボウタイアンテナ(正三角形形状、全長L=332mm):fL=0.1950GHz, fH=1.0870GHz, BW=0.8850GHz, fH/fL=5.57(3dBダウン特性) ◎改良型ボウタイアンテナ(先端部角無しラウンド形状、全長L=332mm):fL=0.1830GHz, fH=1.1340GHz, BW=0.9510GHz, fH/fL=6.20(3dBダウン特性)、fL=0.1400GHz, fH=1.2389GHz, BW=1.0989GHz, fH/fL=8.85(6dBダウン特性) 今回実現できた上限と下限周波数の比6.20や8.85であれば周波数帯域の不足分は補正形の周波数窓の適用等の後処理で十分対応可能な範囲である。よって3台の商用の汎用パルス地中レーダを1台の広帯域SFCW GPRでカバー可能と判断できた。平成27年度において成果の詳細を学会誌に論文発表する予定である。
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