微弱なテラヘルツ波の絶対電力を常温において高感度に測定するためのセンサーを開発した。本センサーでは、テラヘルツ波の吸収によって発生する熱を熱電変換素子によって直流電気信号に変え、それをもとに直流電力を吸収体に設置されたクーラーに与えて吸収体の温度を等温制御する。この釣り合いを利用して、クーラーに与えた直流電力を精密に計測し、テラヘルツ波のパワーを決定する。この直流電力への変換技術と温度制御技術の高度化により、液体ヘリウムによる極低温環境を必要としない常温での微弱テラヘルツ波パワーの精密測定を実現した。測定の不確かさ解析を詳細に行い、数十ナノワットレベルの定量的測定が可能なことを明らかにした。
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