研究課題
本研究課題では,非最小位相系を制御対象とした未知外乱推定器および制御系の設計方法の構築を目的とし,従前の方法では実現できなかった広帯域化の性能を実現することを目指している.そのためのアプローチとして,制御対象に並列に結合した並列モデルを導入し,見かけ上制御対象を最小位相系としておき,その上で広帯域の外乱推定器や制御系を設計する方法を用いた.外乱推定性能は,並列モデルの設計に依存するため,その設計が非常に重要となる.そのため,平成26年度までに,並列モデルの周波数応答を所望の帯域まで合致させるために,KYP補題に基づくLMI表現によって定式化し,解を得る方法を導出した.それを踏まえ,平成27年度は以下の検討を行った.1.並列モデルの設定方法の提案:平成26年度までに開発したKYP補題に基づくLMI解法による設計方法について研究成果として纏め,学術論文として掲載された.2.並列モデルを用いた未知外乱推定手法の構築:性能向上を目指す周波数帯域を限定することで適切な並列モデルが設計可能であることを幾つかの例題によって示した.さらにそれらの成果を学術論文として纏め,掲載された.3.実験装置を用いた未知外乱推定性能の検証:並列モデルを用いた未知外乱推定器の性能を実システムによって検証するため,実験装置を用いた実験を行った.その結果は学術論文として纏めた.
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 4件)
日本機械学会論文集
巻: 81 ページ: 1-12
10.1299/transjsme.14-00474
Mechanical Engineering Journal
巻: 2 ページ: 1-13
10.1299/mej.14-00547
計測自動制御学会論文集
巻: 51 ページ: 579-586
10.9746/sicetr.51.579
SICE Journal of Control, Measurement, and System Integration
巻: 8 ページ: 354-361
10.9746/jcmsi.8.354