研究課題/領域番号 |
25420452
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
古月 敬之 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50294905)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | サポートベクターマシン / ニューラルネットワーク / 機械学習 / 適応制御 / パターン認識 |
研究概要 |
本研究では、制御系設計等に利用しやすい構造を持つ準線形ニューラルネットワークモデルを構築し、そのパラメータを推定するための体系的な学習法の確立を目指す。具体的に、回帰または分類のための利用しやすい線形構造を有する準線形サポートベクターマシン(SVM)の構築およびそのオンライ学習法の開発を行い、スイッチング適応制御法や高性能分類器の開発などへの応用研究を行っている。本年度では、 ①SVM学習法を準線形回帰モデルの同定に適用することにより準線形SVMを構成する方式の立案を行った。具体的に、まず、準線形回帰モデリング法を活用しRBFネットワーク補間による線形化する。これにより、Nonlinear-in-natureでありながらLinear-in-parameterである準線形モデルを構築する。次に、モデルにおける線形パラメータを従来の最小二乗法の代わりにSVM学習法を適用することにより誤差最小化ではなくモデル構造リスク最小化するように推定を行った。さらに、機械学習法で合成する準線形カーネルを導入して準線形SVMを構築した。 ②制御系設計などに利用しやすい構造を持つ準線形SVMの構成方式の立案を行った。Macro-NetとCore-Netからなる準線形回帰モデリング法を活用して、応用対象の物理の法則などの数式で表せる先見情報だけでなく、応用に望ましいネットワーク構造(例えば、制御系設計を容易にするための制御入力変数に関し線形なるようなネットワーク構造)という利用しやすい構造(Macro-Net)を取り入れることにより利用しやすい準線形回帰モデルを構成する。この利用しやすい構造を準線形SVMに継承させることにより利用しやす構造を持つ準線形SVMを実現した。 ③準線形SVMをスイッチング適応制御への展開方式の立案を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的を実現するために、機械学習による準線形カーネルの合成を行う準線形SVMの構築、学習技術と利用しやすい構造を有する準線形SVMの構築技術、準線形SVMに基づいたスイッチング制御技術および高性能分類技術を開発し、非線形ダイナミカルシステムの適応制御および遺伝子やタンパク質の機能分類などの応用を行う予定している。本年度では、計画通り、①SVM学習法を準線形回帰モデルの同定に適用することにより準線形SVMを構成する方式の立案を行った。②制御系設計などに利用しやすい構造を持つ準線形SVMの構成方式の立案を行った。③準線形SVMをスイッチング適応制御への展開方式の立案を行った。
|
今後の研究の推進方策 |
次年度では、利用しやすい構造を有する準線形サポートベクターマシン(SVM)の構成の基本方式に基づいて次の幾つの側面から拡張を行い、研究を進めていく。 ①準線形カーネルの合成技術に関しては、応用ごとに最適なカーネルを構築することが可能にするために、局所線形性が抽出できる新しいクラスタリング技術を開発し、機械学習でカーネル自動合成技術を開発する。 ②準線形SVMの学習技術に関しては、合成カーネルを持つ非線形回帰のためのサポートベクターマシン(SVM)を構築し、ビッグデータ問題に適用できるようにするため、オンライ学習法の開発やオンライで抽出する情報を用いた学習速度の向上などを行う。 ③準線形SVMの応用技術に関しては、制御系設計に利用しやすい線形特性や線形サブモデル構造などを有する準線形SVMを構築するため、ネットワークの階層構造とその有用性を考察し、ネットワークのノード関数の局所特性を活用したネットワークの入出力の回帰表現への変換技術および補間による局所線形化技術を開発し、制御系に適用しやすい構造を持つSVMを構築する。
|
次年度の研究費の使用計画 |
計算用サーバーが予定より安く購入できたため 翌年度分と合わせてより性能がよい計算用サーバーを購入する予定している。
|