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2013 年度 実施状況報告書

日本におけるマスコンクリートにおけるDEF膨張のリスクの検証

研究課題

研究課題/領域番号 25420457
研究種目

基盤研究(C)

研究機関岩手大学

研究代表者

羽原 俊祐  岩手大学, 工学部, 教授 (10400178)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードエトリンガイト / DEF / マスコンクリート / コンクリートの最高温度 / エトリンガイトの遅延生成 / アルカリ / フランス土木研究所 / 国際情報交換
研究概要

DEFによるマスコンクリートのひび割れ発生が、日本のマスコンクリートで発生する可能性があるかどうかを明らかにすることを研究の目的として展開した。25年度の研究実績は、計画調書にある6つの項目の内、次の4つについて行った。1.欧米での事例の文献及び実地調査を含めた調査、2.日本におけるDEF関連事例の調査、3.日本と欧米での相違点の整理、4.マスコンクリートを模擬した温度履歴を与えたコンクリート配合での実験
1.調査により、プレキャスト製品(コンクリート製品)にDEFは限定されるのではなく、フランス、イギリス、イタリア、米国及びアジア諸国(タイ、スリランカ)でフーチングや橋脚などのマスコンクリート構造物にDEFによるとおもわれるひび割れ事例がある。フランスでは特に、顕著で、事故事例が100近くになり、フランスLCPC土木研究所は勢力的に取り組みは参考になる。米国PCAの検討も同様である。
2.調査の結果、DEFによる劣化事例と判定されたものは、工場で製造されたコンクリート製品に限られ、現場打ちコンクリートの事例は認められなかった。ともに、蒸気養生の温度が著しく高い養生槽の場所や設定温度が高い場合に限定されている。現場打ちコンクリートでの報告は現在においても見られていない。
3.これまでの検討では、欧米と日本の違いは、セメント中の硫酸アルカリ量の違いも考えられる。日本は比較的アルカリ量の少ないフライアッシュを粘土代替として利用しているため、セメント中のアルカリ量(R2O)は0.65%以下と極めて低いレベルにある。これを切り口に、4.の実験に進める。
4.現状のJIS R5211の規格内で最大の硫酸塩量を硫酸アルカリとして、添加した配合で、90℃を最高養生温度として、市販の普通ポルトランドセメント及び高炉B種セメントを用い、コンクリートを作成し、DEFによる膨張が生起するかの検討を実施している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定の達成度を得ているが、1.についての達成度は高い。
1.については、フランス土木研究所は、DEFによる事故事例を低減するための指針の作成に取り組んでいる。米国PCAでは、マスコンクリートの最高温度を規定しており、その一つの要因としてDEFを懸念している。エトリンガイトが不安定になる70℃以上にしなければ、DEFが起こらないとする対策を盛り込む傾向がある。
2.土木研究所、鉄道総合研究所の調査でも、日本のDEFと見なせる事例は、製品の2例に限定され、今後も継続して調査を実施する。
3.アルカリが共存した場合に、エトリンガイトが高温で分解しやすい傾向があり、セメント中の硫酸アルカリがDEFによる膨張を生起させる要因になっている。
4. 1.3.を背景に、マスコンクリートで使用する市販されているセメントを対象に、実験を開始したが、現在材齢200日超であるが、顕著な膨張は認められない。

今後の研究の推進方策

25年度実施した4項目 1.欧米での事例の文献及び実地調査を含めた総合的な調査、2.日本におけるDEF関連事例の調査、3.日本と欧米での相違点と類似点の整理、4.マスコンクリートを模擬した温度履歴を与えた日本及び欧米のコンクリート配合での実験を行うが、新たに、4.で作成したコンクリート硬化体を調査し、エトリンガイトの再生成現象及びそれにともなう膨張現象の解析を行う。これらにより、日本のマスコンクリートでのDEF生起について新しい知見が得られる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] エトリンガイトの遅延生成(DEF)とそれによる膨張との関係2014

    • 著者名/発表者名
      早坂万葉、羽原俊祐、小山田哲也、中村大樹
    • 学会等名
      第68回 セメント技術大会
    • 発表場所
      ホテルメトロポリタン(東京池袋)
    • 年月日
      20140513-20140515

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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