研究課題/領域番号 |
25420462
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
李 相勲 東北学院大学, 工学部, 教授 (20377807)
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研究分担者 |
鎌田 敏郎 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10224651)
内田 慎哉 立命館大学, 理工学部, 講師 (70543461)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 不規則な形の欠陥検出 / グラウト未充填率測定 / 探査システムの改良 / 低周波数域表示 / 損傷度評価 |
研究実績の概要 |
2014年度は次に示す⑤の製作・実験とその可視化、⑥の解析・可視化、⑦の欠陥探査システムの改良とその他について研究を行った。 ⑤欠陥を埋め込んだスラブ部材の製作および実験および可視化:鋼板とコンクリートの付着が良好な条件下においてコンクリート部分に損傷として曲げひび割れが生じている場合を想定し,衝撃弾性波法による計測を三次元衝撃応答解析によりシミュレートすることで,損傷評価に有効な弾性波特性を明らかにした。 ⑥PC桁試験体を想定した実験とその衝撃応答解析および可視化:欠陥の大きさが小さい場合や形が円形を含めて不規則な場合について実験を行った。そのために内部に欠陥を設けていないもの、内部に大きさの異なる3つの穴(直径20mm, 50mm, 70mm)を設けたもの、大きさは同じ(直径20mm)で欠陥の数が異なるもので、3つの供試体を製作し、衝撃弾性波法を適用した。その結果に新しい可視化手法を適用した画像を用いて分析を行った。またPC桁の未充填程度の測定を想定し、損傷度の異なるはりモデルに対し衝撃応答解析および可視化を行い損傷度評価への適用性を検討した。 ⑦新しい可視化手法に基づいたコンクリート欠陥探査システムの改良:多点入力による膨大なデータの一括処理が可能となった。また、データ入力からAccumulated SIBIE法による可視化までの過程が省力化された。さらに、低周波数域まで可視化の表示域を拡大することで検出が難しい条件の欠陥や損傷を可視化する過程を追加した。この過程は既存の供試体についても適用されたが、⑥の供試体についても適用され可視化および分析が行われた。 その他、新しい可視化手法に対する解析的検討による損傷度評価:欠陥を有する様々なモデルに対して本研究の可視化手法を適用し可視化を低周波数域まで拡張することで欠陥による損傷度を評価できることを見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初2014年度に計画した研究は概ね達成した。それに加えて、本研究の可視化手法を低周波数域まで可視化することで、コンクリート内部の欠陥の大きさが小さい場合や形態が不規則の場合にも検出できること、またコンクリート構造物の一部が損傷している場合、その損傷の程度を評価できることを見いだしている。これらによって欠陥の検出、損傷度の評価に対しての精度がより高まる。
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今後の研究の推進方策 |
衝撃応答解析用に3次元構造解析汎用FEMプログラムを導入することで、それを検証解析に積極的に活用し、解析による探査システムの検証に様々なモデルを使用してシステムの開発プロセスのフィードバックを行う。またPC桁の未充填程度の計測に対し、新しい可視化手法とその拡張(低周波数域表示)を使用・検証しその適用性について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、検証解析に自家製FEMプログラムを用いる計画であり、一定の成果は出しているもののモデルの規模に制限があった。そこで検証解析の適用性をさらに高めるために汎用プログラムを導入する検討を行った。プログラムの購入は高額のため別の来年度予算で当てることにした。そのため、プログラムの保守費、パソコン購入費を次年度に繰り越す。
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次年度使用額の使用計画 |
3次元構造詳細解析汎用FEMプログラム(midas FEA)1年間保守費309400円、解析用パーソナルコンピュータ1台300000円、その他
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