従来の,常時微動アレイ観測からS波速度構造を推定する研究は,観測情報のごく一部しか利用されていない面があった.本研究では,3成分センサーを用いたアレイ観測から得られる,高次モードの混在を認める3成分空間自己相関係数,ならびにH/Vスペクトルを同時にターゲットとし,S波速度と層厚の逆解析を行うことにより,信頼性の高い地下構造を迅速に推定できる方法を導出した.原発の集中立地地域である若狭湾周辺の,小浜市や若狭町を対象とし,常時微動の3成分アレイ観測ならびに単点3成分観測を実施し,提案する手法を適用し,対象地域の詳細で信頼性の高い地下構造を推定し公表した.
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