研究課題/領域番号 |
25420483
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
小野 潔 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60324802)
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研究分担者 |
松村 政秀 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60315976)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ハイブリッド構造 / 横つなぎ材 / 耐震性能向上策 / せん断パネル型ダンパー / 高性能鋼 / SBHS |
研究実績の概要 |
本研究では,鋼アーチ橋等を対象に,橋梁全体の耐震性能を向上させる手法として,高性能鋼を活用することで,耐力の上昇を抑え変形能の向上可能なハイブリッド横つなぎ材を開発することを目的としている.最終年度である平成27年度は,当初の目的を達成するため,以下の研究を実施した. 平成26年度に引き続き,ハイブリッド横つなぎ材の断面性能の評価を行うため,SBHSを縦リブに用いたハイブリッド鋼製短について,縦リブの剛性を増加させた鋼製短柱の圧縮試験を実施した.その結果,今回設定した程度の縦リブの剛性の増加程度では,ハイブリッド横つなぎ材の耐力にはほとんど影響を与えないことが判明した. また,アーチリブと横つなぎ材を接合するガセット部に導入するハイブリッド構造のせん断パネル型ダンパーの弾塑性挙動について,解析的な検討を実施した.解析の実施に当たっては,当該科研費の成果として得られている鋼材の構成則を活用するとともに,せん断パネル型ダンパーの正負交番載荷実験結果と解析結果との比較により,解析手法の妥当性を確認した.解析結果によると,フランジに高性能鋼であるSBHS700,ウェブに降伏応力の低いSM400を使用し,それら幅厚比パラメータを適切に設定することで,地震時の繰り返し作用に伴う応力上昇が少なく,かつ通常の耐震設計で用いられるような簡易な履歴モデルで再現可能な塑性履歴挙動を有するせん断パネル型ダンパーを実現できることを明らかにした.さらに,解析結果の弾塑性履歴曲線を基に,非線形動的解析で使用するせん断パネル型ダンパーの非線性モデルの提案も行った. そして,本研究で提案した高性能鋼を活用したハイブリッド構造およびその復元力モデルを,鋼ローゼ橋等を対象した解析モデルに適用し,レベル2地震動を入力地震動として非線形動的解析を行い,提案手法による耐震性能向上を具体的に確認した.
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