振り子の流体励起振動を用いた水流発電Hydro-VENUSについて,これまでの半円形断面の振り子よりもさらに高いエネルギー取得性能が期待される特殊断面形状の振り子の実験を行った.その結果,特殊断面形状の振り子では,半円形断面の振り子よりも高いエネルギー取得性能が得られるとともに,ある特定の断面アスペクト比付近で特に高いエネルギー取得性能が得られることが明らかとなった.また,無次元流速が10~11付近,周速比が3~4付近で高いエネルギー取得性能が得られた. 特殊断面形状の振り子について,2本の振り子を並列に近接設置し,互いに同期して振動させたところ,振り子1本あたりのエネルギー取得性能は,振り子1本を単独で振動させた場合に比較して30%程度低下した. 特殊断面形状の振り子を1本の回転軸に2枚と3枚取り付けた同軸複数翼の振り子について,エネルギー取得性能を調べた.1枚翼,2枚翼,3枚翼を比較すると,3者に大きな違いは見られなかったが,2枚翼で最も大きなエネルギー取得性能が得られた.振り子枚数が増えるほど,トルクは大きくなるものの,回転速度が低下するため,得られるエネルギー量に大きな違いが生じなかったと考えられる.振り子1枚あたりのエネルギー取得性能で比べると,1枚翼が最も高く,次に2枚翼,3番目に3枚翼の順であった.
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