研究課題/領域番号 |
25420497
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上西 幸司 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60311776)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 破壊力学 / 地盤工学 / 自然災害 / 地震 / 界面不安定現象 / 不連続面のすべり / 斜面崩壊 / トンネル崩落 |
研究概要 |
地質学的不連続面の力学的な不安定化は、地震や斜面崩壊などの甚大な災害をもたらしうる現象に直結していると考えられているが、不連続面の動力学的特性については未だ解明されていない点が多い。本研究課題では不連続面の力学的不安定化の発生機構の解明及び影響の定量的評価に関する研究代表者自らの理論・実験研究を継続発展させ、不連続面破壊の動力学に関わる諸現象の発生メカニズムを究明するとともに、それによる構造物や都市の被災リスクを評価することを目的としている。研究初年度である平成25年度は、非接触レーザ変位計や光弾性実験装置、高速度デジタルビデオカメラなどの実験システムと理論解析を複合的に組み合わせつつ、脆性固体不連続面や斜面モデルの動的破壊の解析を進めたほか、破壊に伴い発生する波動と周囲の固体、流体との動的干渉について検討を行った。結果については、2013 Seismological Society of Japan Fall Meeting(横浜)、2013 Fall Meeting, American Geophysical Union(米国・サンフランシスコ)などにおいて逐次最新研究成果を発表している。なお、地震に伴う「海震」の発生に関する非線形波動理論解析およびその成果に対し、平成25年11月にシンガポールで開催されたInternational Conference on Shock and Impact Loads on Structures(構造物に作用する衝撃荷重に関する国際会議)にて「Highly Commendable Paper Award(優秀論文賞)」が与えられている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非接触レーザ変位計の導入が予定通り順調に進み、平成25年10月に開催された2013 Seismological Society of Japan Fall Meetingでその使用成果を発表できているなど、確実に理論及び実験の研究を学際的に進めている。査読つき論文集への掲載が決定されている論文が「平成25年度の研究成果」欄記載のほかに既にあり、平成26年度は平成25年度よりも多くの研究成果発表が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
計画通り、平成26年度は、縦ずれ断層と横ずれ断層の動力学の根本的な相違点に関する考察を深め、傾斜している縦ずれ断層面の上盤側と下盤側で観測される地震動が大きく異なる物理的根拠について明らかにする予定である。
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