近年,深刻な地下水汚染が各地で発生している.このとき,地表面付近の汚染物質の挙動は,不飽和帯における移流分散現象として取り扱われるが,巨視的分散長は不均一な不飽和帯における汚染物質の挙動を解析する上でとくに重要な物性値である.しかしながら,この巨視的分散長を適切に設定する方法は確立されていない.また,不飽和帯において浸潤線が不安定となるフィンガー流が発生した場合の分散長の性質についてもほとんど解明されていない.本研究では,不飽和帯における鉛直浸透時の移流分散現象に対し,模型実験および数値シミュレーションによって巨視的分散長の性質について明らかにするとともに,定量的評価法の提案を試みた.
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