平成25年度および平成26年度に実施したセメント改良土の三軸引張試験および三軸圧縮試験の結果に基づき、引張破壊からせん断破壊に移行する領域での破壊規準の検討を行った。低拘束圧下での三軸引張試験において供試体は引張破壊を示し、高拘束圧下での三軸引張試験において供試体はせん断破壊を示すことより、セメント改良土の破壊挙動は拘束圧に応じて引張破壊からせん断破壊に移行することが明らかとなった。この結果より、引張破壊とせん断破壊に対する2つの破壊規準を有する弾塑性モデルを構築した。本モデルにおける破壊規準の移行は、引張破壊規準とモールクーロンの破壊規準に関してせん断抵抗角と粘着力の変化により表現できる。 開発した弾塑性モデルを汎用有限要素解析プログラムDIANAに組込み、境界値条件でのセメント改良土の破壊挙動の解析を可能とした。三軸引張試験および三軸圧縮試験をシミュレートすることにより、弾塑性モデルを組込んだDIANAの検証を実施した。試験結果と解析結果の比較より、弾塑性モデルを組込んだDIANAはセメント改良土の引張破壊挙動とせん断破壊挙動を表現できることが明らかとなった。さらに、過去に実施した強度のばらつきを有する供試体を用いた一軸圧縮試験の結果をシミュレートすることにより、境界値問題における弾塑性モデルを組込んだDIANAの検証を実施した。試験結果と解析結果の比較より、弾塑性モデルを組込んだDIANAは境界値問題においてもセメント改良土の破壊挙動を表現できることが明らかとなった。
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