研究課題
基盤研究(C)
本研究では,(1)領域気候モデル出力を用いた直接高潮計算,(2)確率台風モデルの改良および将来高潮計算,(3)パラメトリック台風モデルを用いた最悪コースの把握,(4)将来高潮の確率評価の4つを行う。(1)では,三大湾と瀬戸内海を対象とし,RCM出力結果を用いた直接高潮計算を実施する。(2)では,確率台風モデルSTMを改良することで台風特性の再現性を高め,気象モデルでは得られない数の台風経路を作成する。得られた台風資料を用いて,高潮計算を実施する。(3)では,三大湾を対象にして,台風の最悪コースはどのようなものか,台風モデルのどのパラメータの寄与度が高いかを明らかにする。(4)では,(1)と(2)の結果を比較することで高潮の再現確率値の不確実性を評価する。比較には,GCMを直接用いた高潮計算結果および観測台風資料を基に計算された結果も用いる。本年度の成果は以下の通りである。(1)領域気候モデルを入力条件とした直接高潮計算気象庁気象研究所のRCM出力結果のうち,海面更正気圧と海上風を用いて,直接高潮計算をした。現在気候,将来気候(21世紀末)それぞれの25年間のRCM5kmデータから,北西太平洋における台風存在期間の2次元気象場データ(海面更正気圧および海上風)を抽出し,高潮計算に入力した。高潮モデルには,既存の直交格子法およびネスティングスキームを用いた。三大湾(東京,伊勢,大阪)および瀬戸内海を検討対象エリアとした。計算結果に対して極値統計解析を行い,再現期間100年の高潮を求めた。(2)確率台風モデルSTMの改良台風の進行に伴う,時間変化算定部について,その時点での台風の特性と次時刻における台風特性の変化量の関係に対して,クラスター分析等を適用し,台風特性値に対して,より一致度の高い結合確率密度関数を推定して当てはめられるように,確率台風モデルを改良した。
2: おおむね順調に進展している
計画通り,順調に進んでいる.
研究計画に基づき研究を推進する予定である.
国際会議での発表が当初予定より多くなっているため、物品費を削減して旅費を増額することとした。計算機のスペックを若干落として物品費を削減し、旅費を増額して執行する。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件) 備考 (1件)
Coastal Engineering
巻: 83 ページ: 65-71
10.1016/j.coastaleng.2013.10.003
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻: 69/2 ページ: I_1261-I_1265
10.2208/kaigan.69.I_1261
巻: 69/2 ページ: I_366-I_370
10.2208/kaigan.69.I_366
巻: 69/1 ページ: 64-76
10.2208/kaigan.69.64
Coasts, Marine Structures and Breakwaters 2013
巻: 1 ページ: 9p
韓国海洋科学技術協議会 共同学術大会
巻: 1 ページ: 1619-1622
Proc. 7th Conf. Asian and Pacific Coasts
巻: 1 ページ: 613-619
http://www.coast.dpri.kyoto-u.ac.jp/japanese/