河川では浮遊していたシルト成分は,河口水の濃度の増加に応じてフロックと呼ばれる凝集体を形成し,沈降して干潟の土砂成分となる.フロックや砂を運搬する河口域での平均流は,潮汐,吹送流,波浪流の他に,塩分濃度と水温で決まる浮力の影響を受ける.このような土砂動態を再現する干潟底質環境モデルの構築を行った.干潟環境を再現するために,干潟底質環境モデルの他に,降雨,水文流出,河川・海岸流,海上風,海岸波浪,外洋環境のモデルを結合させた大規模な数値モデルの集合体である干潟底質環境総合解析モデルの構築を行った.さらに,近未来気候変動予測モデルの結果から,気象,水文,河川,海洋環境の変化を知る手法を開発した.
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