東京圏の鉄道では,混雑率の低下を目的として,高頻度運行,相互直通運転といった政策を実施し,大きな成果を上げたものの,その副作用として通勤時間帯の慢性的な遅延,遅延の広域的な連鎖,遅延回復の長時間化が発生しており,ある種のパラドックスとなっている. 本研究では,これまでに実施した列車遅延の発生・拡大に関する研究の結果を踏まえ,① 分析対象を信号方式,運行頻度等の異なる路線へ拡張すること,② 遅延回復に関する分析を進め,回復のメカニズムを解明すること,これらを通して,③ 列車遅延の拡大防止および回復に向けた具体的な対応策を提案することの3つを行った.
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