研究課題/領域番号 |
25420537
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
佐野 可寸志 長岡技術科学大学, 工学部, 准教授 (00215881)
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研究分担者 |
西内 裕晶 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (40548096)
吉井 稔雄 愛媛大学, 理工学研究科, 教授 (90262120)
ウイセットジンダ ウイスニー 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40534376)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 原子力発電所災害 / 避難行動 / ミクロ交通シミュレーション / ボトルネック |
研究概要 |
本年度は,避難実態調査と,ミクロ交通シミュレーションネットワークの作成とボトルネックの抽出を実施した. まず,福島第一原子力発電所事故における避難実態の調査としては,過去の新聞報道を調べ,政府の発した避難指示と各自治体の対応,ならびに避難実態の調査を新聞報道,インターネット等をもとに,避難時の課題等を抽出した.また,新潟県内自治体ヒアリングとしては,柏崎刈羽原子力発電所の所在する柏崎市や長岡市の防災担当者に,防災計画の見直し状況や避難計画の内容についてヒアリングを実施した.ただ,現時点での県の防災計画が来春に策定される予定なので,それを待って,市町村は計画を策定せざるを得ず,具体的に内容はまだ定まっていない. ミクロ交通シミュレーションParamics用に,柏崎刈羽原子力発電所から,概ね30km内の,国道,県道,主要市町村道をリンクとするネットワークを作成した.また,想定される時間帯OD交通量を上記ネットワークに流し,渋滞が発生するボトルネックを抽出した.また,ボトルネックになると予想される交差点の詳細な現地調査を行い,ボトルネック解消策策定の資料を作成した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新潟県や市町村の避難の方法・誘導方策が決まらないため,それに対応した市民の避難行動に関するアンケート調査を実施することができなかった.本年度中に新潟県や市町村の避難の方法・誘導方策が決まらない場合は,他の自治体の事例を参考にして,避難誘導策を想定し,それに対応した市民の避難行動に関するアンケート調査を実施する.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の方法を以下の3項目に纏める. (1)アンケート調査の実施:本年度中に新潟県や市町村の避難の方法・誘導方策が決まらない場合は,他の自治体の事例を参考にして,避難誘導策を想定し,それに対応した市民の避難行動に関するアンケート調査を実施する. (2)時間帯OD交通量の推計:アンケート調査を元に,避難OD交通量を以下の方法により,推定する.本研究で用いる時間帯OD交通量は,交通量的に最も厳しくなると思われる平日昼間に避難行動を開始するとして,以下の3つのODを足し合わせて推定する.①通常交通量:平成22年度道路交通センサスの個票データをもとに推定する.②帰宅交通量ならびに避難交通量:住民アンケート調査結果を類型化されたグループごとに拡大し推定する.③避難用車両交通量:新潟県内自治体ヒアリング調査をもとに,OD交通量を推定する.その際には,移動困難者のピックアップトリップや,地域外からの避難用車両のトリップも考慮する. (3)交通容量拡大方策と緊急避難時の交通制御方法の検討:ボトルネック交差点の交通容量の拡大方策の検討と,ランプメータリングを用いた緊急避難時の交通制御方法の検討を実施する.
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次年度の研究費の使用計画 |
県や市町村の避難誘導方針が決まらず,アンケート調査が実施できなかった. 平成26年度に,平成25年度に実施を予定していたアンケート調査を実施する.
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