下水処理場から生じる消化汚泥を安全な肥料原料に変換するために、酸化剤の一種である鉄(VI)酸カリウムを用いて汚泥中のノニルフェノール(NP)と重金属類の除去を試みた。汚泥の初期pHを3前後に低下し、鉄(VI)酸カリウムを添加することで汚泥中のリンの損失を伴わずにNPを効率的に低減できた。鉄(VI)酸カリウムによるNPの完全な分解(無機化)はわずかであったが、分解副生成物の生分解性はNPに比べて向上する傾向が示された。また、鉄(VI)酸カリウムの添加後に酸処理することで汚泥中の重金属類を効率的に低減できた.以上より、鉄(VI)酸カリウムを用いた方法の有効性が示された。
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