本研究は、人工衛星からのデータを活用することによって、湖沼の基礎生産量を広範囲且つ長いスパンでの推定を試みたものである。このため、まず衛星データに含まれている大気の影響を除去するための大気補正アルゴリズムを開発した。次に、大気補正済みの衛星データから湖水の固有光学特性(すなわち、吸収係数と後方散乱係数)を推定し、それをもとに、湖水の消散係数と有光層深度の推定アルゴリズムを開発した。最後に、これらのパラメータを用いて、霞ヶ浦湖水の基礎生産量の推定を行った。この成果は健全な水利用、水域生態系の保全、及びグローバルな炭素循環の見積もりに利用可能である。
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