研究課題/領域番号 |
25420570
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
高橋 徹 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10226855)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 振動台制御 / 強震 / バーチャルリアリティ / 不安度 / 生体情報 |
研究実績の概要 |
まず,平成25年度に改良したx-yスライダ式簡易振動台の制御プログラムと,本課題の肝であるヘッドマウントディスプレイへのコンピュータグラフィックス動画の投影を同期させるためのプログラム作成作業を行い,振動台の過度な加速度応答を低減するために過渡的な振幅を付加するなどの調整を行った。続いて,予備的な入力を行って加速度計により検証を行い,当初の目標どおりの波形が得られていることを確認した。 次に,完成したプログラムを用いて,千葉大学の学生と大学院生(男性14名,女性3名)を被験者とし,x方向,y方向,o形,8形,∞形の調和振動71パターンを入力として,強震時の不安度と行動不可能度をアンケート調査により取得した。実験は平成26年10月15日から平成26年11月13日にかけて,千葉大学工学部21号棟(建築工学実験棟)に設置されたx-yスライダ式簡易振動台を用いて実施された。 結果として,不安度や行動不可能度の相加平均を取ると,各周波数では速度に比例するような傾向が見られること,不安度も行動不可能度も高周波数ほど速度を横軸に取ったときの回帰直線の傾きが大きくなる傾向が見られること,が示された。このことは,周波数が高いほど小さな速度でも不安に感じたり行動が不可能だと感じたりしている,ということを意味しており,今後被験者を増やしたり,生体情報を同時に記録したりしながら,評価尺度を具体化させていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね予定どおりの実験を重ねることが出来た。懸念していたほどには加速度波形の違いは現れず,平成24年度,25年度に実施した試験も使えそうな結果を得ている。指標を定式化する際に用いることが出来る被験者の数が増やせるのは,研究の推進にとって望ましいことである。 没入型バーチャルリアリティを再現するためのヘッドマウントディスプレイとしては,昨年度選定した機種では今ひとつ力不足の感があった。その方面の研究をしている研究者と情報交換をする必要性を感じた。
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今後の研究の推進方策 |
ヘッドマウントディスプレイの機種選定を,バーチャルリアリティの研究を専門に行っている研究者と情報交換しながら再度行い,実験を重ねていきたい。
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