研究実績の概要 |
まず,平成26年度の検討に基づき,ヘッドマウントディスプレイを改めて選定して購入し,これに対応したソフトウェアUnityを用いて強震時の室内シミュレーションを再構築した。平成25年度,平成26年度に実施したシミュレーションの妥当性検証手法の経験が役立ち,比較的容易に検証を済ませることができた。 並行して,振動台実験のパラメータ設定を行い,10月から11月に掛けて17人の被験者を対象として椅子に座った状態で複数の加振を行った。加振はx, y方向の一次元振動に加え,O型,8の字型,∞型の二次元振動の計5種類について,それぞれ周期,最大速度を変化させた合計131種類を用意し,順番はランダムに行った。被験者には一つの加振が終了するたびにアンケートに回答してもらった。アンケートの中では不安度(加振によりどれくらい不安を感じたか)について5段階で,行動不可能度(加振中に行動できそうか)について3段階で加振を評価してもらった。同時に加振中の生体情報を測定し,反応を記録した。また,実験中被験者にはヘッドマウントディスプレイを装着させ,加振によって室内がゆれている様子を再現した映像を振動台の動きと同期させ再生し,実際の地震時の状況を再現した。 この実験から得られたアンケート結果と生体情報を分析し,不安度,行動不可能度の評価,過去の実験との比較,検証を行うとともに,3年間のまとめとして,2次元加振に対する不安度と行動不可能度の限界曲線を導いた。
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