本研究は、法の想定を超える巨大地震に対しても建物の損傷を低減するために、柱に高強度鋼材、梁に相対的に強度の低い鋼材を用いた耐震性の高い架構を実用化する目的で、解析的・実験的研究を行ったものである。 まず解析的検討により、一定の過大変形が生じる条件下においても架構の損傷を低減するための断面選定方針を示した。次いでフランジに780N/㎜2級鋼材を、ウェブに490N/㎜2級鋼材を用いた異種鋼材H形断面材の短柱圧縮実験・曲げせん断実験ならびに、十字架構実験を行い,性能確認を行った。これらの解析的検討ならびに実験的検討から知見を体系的に整理し、異種鋼材H形断面柱の設計方針をまとめた.
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