本研究では、小屋組と桁行架構間の破壊を含む仕口耐力を考慮し、過大な積雪荷重に対して豪雪地帯の木造建築物の倒壊を防止する補強法を提案した。補強法は割裂が生じる可能性がある小屋梁端部に紫外線硬化型FRPシートを巻く補強法である。腰掛兜蟻仕口部のせん断試験結果から、以下の事項を明らかにした。(1)対象とした腰掛兜蟻仕口の破壊過程は、兜下部が割裂し、兜の耐力が低下した後に蟻部がせん断変形、せん断破壊し、最終的に腰部がせん断割裂する。(2)紫外線硬化型FRPシートによるせん断補強方法は、耐力の向上と最大耐力後の靭性に寄与する。
|