都市部で深刻化するヒートアイランド現象を緩和するために樹木の利用が考えられるが,植物個体を熱交換ユニットと見なし,個葉ならびに葉群熱及び水分伝達特性を定量的に評価し,その支配要因を抽出するとともに,植物葉群の熱収支シミュレーションを行い熱交換ユニット開発のための基礎的特性について明らかにする. 樹冠の形状等の異なる樹種について,個葉の蒸散量を測定し,葉面での潜熱輸送量評価に関わる基礎データを収集するとともに,樹種ごとの蒸散モデルのパラメータを同定した.一方葉群データを樹木生育モデルにより生成し,孤立樹木の熱収支を,葉面配向等の詳細構造を考慮した数値解析により評価した.
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