研究課題/領域番号 |
25420617
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
猪岡 達夫 中部大学, 工学部, 教授 (20367668)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 間接照明 / 直接照明 / タスク・アンビエント照明 / 照度 / 輝度 / 視環境 / 省エネルギー |
研究概要 |
本研究の目的は、間接照明による視環境と省エネルギーが両立する条件を明らかにすることであり、最終的には間接照明の普及に寄与することである。間接照明は視環境的に良いが反射を利用するので照度を得るには不利であり、これがの省エネルギーとする時のネックである。一方で、3.11以後、多くの建物で消灯や減光がされているが、減光により問題が生じたいう報告は聞かない。一方で日本の照度基準は欧米に比べて高いが、果たして現在のJISの照度基準が本当に必要かという疑問がある。2013年度は、講義室で既設の直接照明にトレシングペーパーを重ねて減光実験を行った。パワーポイントの資料を映しつつ授業を行い、授業後にアンケートを行った。結果は、減光した方がスライドが見やすいという回答率が上がった。トレペを重ねることで輝度が抑えられるが、これは間接照明が高輝度を抑えることと同じである。これは間接照明での省エネルギーの可能性を見いだしたと言える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H25年度に実施できたのは減光実験のみである。なお、概要で述べた講義室の他に一般事務室でも同様の実験を行った。講義室での実験は、概要で述べたトレペによる減光の他、和紙による減光実験も行った。トレペと和紙では光の透過特性が異なることが分かったが、これらの透過特性と減光による影響評価を現在も継続中である。また、一般事務室での減光実験とアンケート調査も行った。一般事務室の結果は講義室とは異なるものであった。一般事務室では減光すると、作業がしにくい、あるいは資料が見にくいという回答が増えた。これらの差異の要因解明を優先したため当初の予定からやや遅れることになった。なお、これらの実験結果を今後の研究に反映するために、実験計画を見直しを行った。 1)瞳の縮動実験:当初はH25年度に実施する予定であったが、H26年度にずらした。 2)ゼミ室における直接・間接照明の比較実験:当初はH25年度に実施する予定であったが、H26年度にずらした。 3)各種施設の照明の実態調査:当初はH25年度に実施する予定であったが、H26年度にずらした。
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今後の研究の推進方策 |
H26年度は、以下の実験を行う。 1)瞳の縮動実験:当初はH25年度に実施する予定であったがH26年度に実施する。なお、実験装置を新たに作成することとし、現在その準備中である。新たな実験装置では多様な光源を扱えるようになり、また、光源位置の敏速な切り替えが可能となり、より多くの実験が可能となる。 2)ゼミ室における直接・間接照明の比較実験:当初はH25年度に実施する予定であったが、H26年度に実施する。これに加えて、タスク・アンビエント照明の実験を実施する。なお、既存のタスク照明装置は本実験に適用するには問題がある。このためにタスク照明装置を新たに作成することとし、現在、設計中である。 3)各種施設の照明の実態調査:当初はH25年度に実施する予定であったが、H26年度に実施する。なお、調査対象の施設を店舗などではなく、一般住宅を対象にすることに変更する。何故ならば、事務所のJISの照度基準の1000~750~500Lxに対して、住宅は非常に低い(200Lxあれば高い方)が、何故、このような大きな差異があっても住宅では問題にならないかを解明する。これは照度基準のあり方、タスク・アンビエント照明、省エネルギーなどの解明の手がかりとなると考えるからである。 4)講義室における減光実験:H25年度は減光実験を行ったが、H26年度は、照明を点けいない自然採光の可能性の研究を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた出張が延期となったため。 調査の旅費として使用する。
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