研究課題/領域番号 |
25420632
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
浅野 純一郎 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10270258)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 戦災復興都市計画 / 戦災復興土地区画整理事業 / 土地利用計画 / 計画標準 / 中心市街地活性化基本計画 / 中心市街地 / 都市再開発事業 / 駅前広場 |
研究実績の概要 |
本研究課題の内容は、戦災復興都市計画の事業遺産や計画遺産に対して、①土地利用計画の持続性と断絶性の分析と②今日の中心市街地活性化事業への影響分析の二つに分けられる。 平成26年度は②の調査分析と論文執筆に注力した。即ち、戦災復興土地区画整理事業施行面積100ha以上、新旧(1998年と2006年の)中心市街地活性化法による基本計画を策定する都市を条件に、全国28都市を抽出し、平成25年の夏季より各都市の新旧中心市街地活性化基本計画を収集し、戦災復興事業との関係を分析した。平成26年5月からは戦災復興事業後から中心市街地活性化事業までの期間の各都市の各種事業実施に関わる大規模なアンケート調査を行い、戦災復興事業と中心市街地活性化事業との計画的相互関係を分析した。この内容を「戦災復興事業基盤と中心市街地活性化基本計画との関係性に関する研究」としてまとめ、日本建築学会計画系論文集に投稿した。これは同論文集2015年7月号に掲載される予定である。加えて、ケーススタディとして、豊橋市を対象とし、明治期に鉄道駅が開設されてから、戦災復興事業を通って今日にいたるまでの駅前広場と駅舎の場所的関係を分析し、計画的意図を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前述した日本建築学会計画系論文集への論文「戦災復興事業基盤と中心市街地活性化基本計画との関係性に関する研究」は非常に難産で、自分にとって過去最大級の労作となった。スタートから論文執筆まで1年半以上かかった。紙幅の都合で書き切れない部分もあったが、これを書くためにこの科学研究費テーマをやったといっても過言ではない為、少し肩の荷が下りた気がする。従って「おおむね順調に進展している」と評価する。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間の最終年度である平成27年度は、まず分析②(【研究の実績概要欄参照のこと】)に関わる全体的概論としてまとめた論文「戦災復興事業基盤と中心市街地活性化基本計画との関係性に関する研究」を元に、いくつかの特徴的な事例を抽出し、戦災復興都市計画事業と中心市街地活性化基本計画との関係を、土地区画整理事業と駅前広場整備事業に絞って詳細に明らかにする。次に分析①については、戦災復興都市計画による用途地域指定とその後の土地利用計画(線引き制度導入時期との関係等)を考察することで、次期研究テーマにつながる基礎的調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度は、平成25年度に学内ファカルティディベロプメントプログラムの一環で、約3週間の海外研修が入った関係で、当初の計画より46万弱が繰り越されていた。その為、平成25年度の研究計画とそれに関わる支出を、当初計画よりも早めに進めて行ったが、繰越額が46万と大きかったので、結果として6万弱が平成27年度に繰り越されることとなった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度への繰越額は6万弱と少額な為、特に大きな問題はなく、本年度の研究計画に基づいて支出する予定である。
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