本研究課題の内容は、戦災復興都市計画の事業遺産や計画遺産に対して、①土地利用計画の持続性と断続性の分析と②今日の中心市街地活性化事業への影響分析の二つに分けられる。研究の最終年度である平成27年度は、②の研究の積み残しに加え、主に①の調査分析を進めた。 ②については、平成26年度の成果である「戦災復興事業基盤と中心市街地活性化基本計画との関係性に関する研究」(日本建築学会計画系論文集2015年7月掲載)から、特に駅前広場整備と中心市街地活性化基本計画による土地区画整理事業の二つをクローズアップし、より詳細な研究を進めた。駅前広場では、豊橋、岐阜、富山をケーススタディした上で、戦災復興事業で整備された駅前広場が中心市街地活性化基本計画でどのように再整備されたのかについて、全国レベルの比較分析を行った。区画整理についても、戦災復興区画整理区域と中心市街地活性化事業による区画整理の重複事例等を取り上げ、何をどのように整備したのかの分析を進めた。これらは日本建築学会の口頭発表論文で公表を進めているところである。 ①については、戦災復興都市(戦災復興土地区画整理面積200ha以上)で、1968年都市計画法による線引き制度を実施した都市を対象に、戦災復興から高度経済成長期における市街地拡大が線引きにいかに影響したのかの分析を行った。即ち、この時期の都市計画図や土地区画整理事業資料等を収集調査した後、同程度の確度で資料収集が可能であった28市を対象に、戦災復興区画整理区域、1960DID、1970DID、線引き直前期(旧法最終期)の用途地域範囲、当初線引き区域といった各区域を設定した上で、土地区画整理実施経過との関係から、前述の影響度を分析した。これも日本建築学会計画系論文集に投稿中である。
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