研究課題/領域番号 |
25420633
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
瀧澤 重志 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 准教授 (40304133)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 空間分析 / イベント / 領域分割 / 半教師あり学習 / 分類 / クラスタリング / CAEP / 線形計画問題 |
研究実績の概要 |
平成26年度は,前年度に提案した半教師学習型の狭域空間分析手法を改良するとともに,対象地域の空間のデータ化を行った. まず,狭域空間分析手法の改良についてであるが,前年度に開発した分析手法にはふたつの改善点があった.一つは,最適領域の発見にメタヒューリスティクスの一つであるPBIL(Population Based Incremental Learning)を用いており,(準)最適領域の発見に時間がかかることと不確実性が存在することであった.もう一つは,最適領域のサイズを陽にコントロールできないことであった.一般に,イベント発生箇所と非発生箇所の中間にある非ラベル領域の面積は少ない方が望ましいと思われるが,昨年度に提案した方法ではこのサイズをコントロールできないことが懸案であった.そこで両者の問題を同時に解決する手法として,整数計画問題として最適領域を求めるための定式化を提案し,実装と数値実験を行った.求解の手順としては,非ラベル領域を除いて一度分類モデル(CAEP)を用いて学習を行い,学習済みのモデルを用いて非ラベル領域のラベルを予測する.その結果を用いて,全体の誤分類精度(BER)が最小になるように,イベント点に対する凸領域制約を満たす非ラベル領域形状を整数計画問題で発見し,見つかった会を元にして,学習モデルの学習・予測,最適領域形状の改善を繰り返すというものである.整数計画問題として本問題を定式化するためには,最適領域サイズをパラメータとして事前に与える必要があり,これが結果として領域サイズのコントロールにつながっている.C++とCPLEX12.6を用いて実装を行い,昨年度と同様に21×21の領域サイズにて数値実験を行った結果,従来よりもサイズが小さく精度の高い領域形状を発見することができた. また,対象地域を梅田地下街に決定し,分析に必要な基本的な空間構成要素のデータ化も行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成26年度の秋から,計画段階では予定していなかった市関連の業務が発生したため,予定してた対象地域の調査・モデリング・分析が十分に行えなかった.
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今後の研究の推進方策 |
前年度やや出遅れた対象地域の調査・モデリングの作業に既に着手しており,研究課題を十分達成できるスケジュールを組んでいる.また,今年はソフトウェアの作成も行うが,これまで作成してきたソフトウェアの資産を生かすことで,作成の効率化を図りたい.
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に予定していた対象地域の調査と分析が十分に行えなかったため.
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次年度使用額の使用計画 |
対象地域の高精度な3Dデータが利用可能になったので,当初予定していたデータ構築用の大型カメラの購入は見送り,必要に応じて現在使用している小型カメラのパーツのラインナップを拡充することを検討する.また,分析用に高速なPCをできるだけ早く購入して利用する計画である.
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