研究課題/領域番号 |
25420635
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
三輪 康一 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10116262)
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研究分担者 |
末包 伸吾 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10273757)
水野 優子 武庫川女子大学, 生活環境学部, 講師 (00411968)
栗山 尚子 神戸大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00362757)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 市民まちづくり / アーカイブズ / 神戸市 / エリアマネジメント / 自立的経営力 / 社会的包容力 / パートナーシップ協定 |
研究実績の概要 |
1)まちづくりアーカイブズ調査分析(継続):まちづくりアーカイブズのデータ収集と,まちづくりに関連する行政・支援組織と,まちづくり組織に関するヒアリング調査を実施した.対象として選定した行政・支援組織としては,関西のまちづくり支援組織である,神戸市のこうべまちづくり会館と地域人材支援センター,大阪市の住まい情報センター,京都市の景観・まちづくりセンターである.一方,まちづくり組織として選定したのは,真野地区まちづくり推進会,岡本地区の美しい街岡本協議会,野田北部地区の野田北ふるさとネットである.以上の調査の結果,まちづくり組織,行政・支援組織のいずれもが,現状では資料の収集,保存,活用の各段階のアーカイブズ体制が必ずしも十分でないことが明らかになった.つまり,収集アーカイブズの役割として,まちづくり組織による資料保存の課題(継続性,人材)があること,また,各都市のまちづくりセンターなどのまちづくり支援組織では収集アーカイブズとしての課題(目的,体制)があることが明らかになった. 2)まちづくり組織の発展段階に関する詳細分析:神戸の全市を対象としたまちづくり組織の発展段階調査をさらに詳細に分析した結果,エリアマネジメントの視点からみたまちづくり組織の発展過程として,神戸市のまちづくり協議会,ふれあいのまちづくり協議会,防災福祉コミュニティ,エコタウン,景観形成市民団体,パートナーシップ協定締結組織のそれぞれの実態と課題を踏まえて,そのなかからとくに,パートナーシップ協定締結組織に対して,「総合性」や「持続性」などのエリアマネジメントの可能性を見いだした.そこで,このパートナーシップ協定締結組織に対して重点的にヒアリング調査を行うこととし,まず行政担当部局へのヒアリング調査を実施するとともに,ヒアリング調査の項目を整理した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展している理由は,まちづくりアーカイブズ調査分析に関しては,各行政やまちづくり団体から,この研究に関する理解と協力を得て,予定していたヒアリング調査が進んだことである. まちづくり組織の発展段階に関する調査分析に関しては,詳細調査対象組織としてパートナーシップ協定対象組織の選定につながる,全市を対象としたより詳細な分析を重点的に進めたために,予定していたヒアリング調査は,次年度に持ち越された.ただ,調査実施のための事前の準備はできているため,平成27年度当初には実施予定であり,大きな変更はない.
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今後の研究の推進方策 |
1)まちづくりアーカイブズ調査分析:まちづくりアーカイブズのシステムと,史料の保存,活用のための方法の検討を行うことで継続的な運用の可能性を念頭においたシステムを構想する.システムの仕組み検討と史料の保存,活用のための方法検討は,研究代表者,研究分担者,連携研究者に加えて,「アーカイブズ研究会」の参加を得て議論を進める. 2)まちづくり組織の発展段階に関する詳細分析:まちづくり組織の発展段階分析調査を踏まえて,前年度に実施予定であった自立的経営力と社会的包容力の観点からのヒアリング調査の実施を含み,地域単位でみたまちづくり組織とその活動の変化パターン(連携とネットワーク)に関する分析を行う.ここでは,まちづくり組織間の多様化と,まちづくり活動(テーマ)の多様化が,組織と活動の連携に進み,最終的には,地域内の各組織の連携とテーマの総合化にいたるネットワークのプロセスを想定している.まちづくり組織が設立された時期と,組織連携の形態とその活動内容変化をもとに,その変化パターンを,ヒアリングをベースにした詳細調査によって明らかにする. 3)まちづくり組織の展開に関する検討会(ワークショップ)の実施:以上の分析結果をふまえて,まちづくり組織のキーパーソン(代表者,行政担当者,支援専門家)による「まちづくり組織の展開に関する検討会(ワークショップ)」を実施する.ここでは,これまでの分析結果を提示し,それに対する意見とこれからのまちづくり組織の将来についての意向についての意見を集約する.以上の調査分析をもとに今後のまちづくり組織の総合的,自立的で持続的な運営,すなわちエリアマネジメントを想定しつつ,まちづくり組織の地域における役割と支援のあり方を展望する. 以上をもとに研究のとりまとめを行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額は小額であるが,消耗品(プリンタトナー)の必要量,それによる支出額が予定より少なくすんだため.
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次年度使用額の使用計画 |
消耗品に追加して使用する予定です.
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