研究課題/領域番号 |
25420645
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
佐藤 由美 大阪市立大学, 都市研究プラザ, 特任講師 (70445047)
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研究分担者 |
阪東 美智子 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 主任研究官 (40344064)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 高齢者 / 集合住宅 / 居住者 / 住宅管理 / 地域包括ケアシステム |
研究概要 |
本研究は、住宅と福祉の連携の実践の場として、都市内部に点在する高密度に高齢者が集住するスポット(集合住宅等)を対象に、新たな居住マネジメント(生活支援機能を有する住宅管理)の提案と課題の抽出を目的としている。 平成25年度は、まず高齢者の高密度居住地区の分布状況やその特徴を把握するため、公表されている平成22年国勢調査の小地域集計(町丁目単位集計)をもとに、東京・大阪都市圏・DID地区における①住宅特性(共同住宅比率・公的借家比率等)と②高齢化の進行状況(老年人口比率・老年化指数等)の関係を把握し、マップを作成し、それぞれの重なり状況を確認した。その結果、集計対象41,960町丁目のうち、特に公的借家が町丁目の80%以上を占める地区622町丁目(大規模団地)では、老年人口比率が30%以上の地区が55.3%を占め、高齢化が顕著であることが明らかになった。 つぎに、典型的な持家系の高齢者集住スポット(マンション地区)を対象に、団地の自治会長へのインタビュー調査をもとに、合計5団地の自治会の協力のもと、70歳以上の高齢者を対象とした「集合住宅団地における高齢期の生活実態に関する調査」を実施した(アンケート票(600票)配布)。この調査では、高齢期の居住者の「自助」や「互助」の実態や意識・意向等を把握することをめざし、調査対象者の属性、入居歴、地域における日常生活の実態、サービスの利用状況、住生活の評価や互助に向けた意識、今後の居住意向等の設問を設定している。回収票の集計・分析などは平成26年度に継続して実施する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初予定していた高齢者が高密度に集住する地区の抽出やその集計を行い、予定通り分析を進めた。一方、集合住宅地区(持家系)での調査については、既往調査をもとにした「居住世帯調査」の分析に加え、対象団地自治会との協議・調整により、まず高齢居住者へのアンケート調査を実施した(600票配布:70歳以上居住者)。その結果を活かしつつ、要支援・要介護者への調査(インタビュー調査)を実施する方法に変更した。このため、当初予定していた「地域組織・機関調査」の実施がやや遅れている。しかし、実施した高齢居住者へのアンケート調査の回収率は50%を超えており、統計上有効な調査結果が得られるものと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、前年度の持家系地区における70歳以上の居住者を対象としたアンケート調査「居住者調査」の集計・分析を進めるとともに、要支援・要介護者へのインタビュー調査や、互助・共助を担う地域組織や住宅管理者・医療・介護等の専門機関等への「地域組織・機関調査」や「行政調査」として、インタビュー調査を実施する。 また、高齢者が高密度に集住する借家系のスポットを対象に、「居住世帯調査」等を実施すべく、調査対象団地の抽出や団地自治会への調査協力の依頼等を行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
対象団地自治会との協議・調整により、調査方法を変更し、まず高齢居住者へのアンケート調査を実施した(600票配布:70歳以上居住者)。このため、要支援・要介護者への調査(インタビュー調査)や地域組織・機関調査等の実施が次年度に繰り越しになった。 平成26年度は、上記アンケート調査の集計作業費やインタビュー調査(要支援・要介護者、地域組織等)に係る旅費、作業謝金、その他等の経費を支出する予定である。
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